1.遺産分割協議のやり方

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 遺産分割協議がモメテしまって、相続手続が進まない、弁護士や裁判沙汰になる、というのは実は珍しいことではありません。

 ちょっとしたコミュニケーション不足やお互いのこじれで、協議がうまくいかなくなり、一度もめだすとお互い身内なだけに遠慮も譲歩もなくいがみあい、何年も没交渉になってしまう。そんな事態は被相続人も望んでおりませんし、なんとしても避けねばなりません。

 遺産分割協議をうまく進めるには、なんといっても「事前の準備」と「よく話し合う」ということに尽きます。

 遺産調査の結果を財産目録にまとめ、相続手続の全体像を相続人全員で共有した上で、しっかりと話し合う。そうすることで、お互い冷静に安心して協議を進めることが出来ます。


1.誰も知らない相続人が見つかった場合


 戸籍を調べると、当初想定していた以外の相続人が見つかることが時々あります。

 実は昔、結婚されていて子供がおり、今の奥様とは再婚だった等、離婚・夫婦の死別を経験されている方の場合は、古い戸籍に子供が見つかることがありますので、注意が必要です。

 このような場合、見たこともない人と遺産分割協議をすることになります。その場合でも、ポイントは冷静に話し合うこと。お互い不安に思っているのは同じです。財産目録をもとに、冷静に話しあうことが必要となります。

 間に司法書士などの専門家が入ることも有効です。司法書士は片方の委任を受けて協議をすることは出来ませんが、中立の立場で同席し、法律上の説明をすることは可能です。第三者が入った方がうまくいく場合もあります。


1.相続人に認知症、未成年者、行方不明者がいる場合


 相続人の中に、認知症・未成年者・行方不明などの理由により遺産分割協議に加われない、自分で判断できない方がいる場合があります。そのような場合でも、その方を外してそれ以外の相続人で遺産を分割しても、その手続きは無効になります。

 相続手続を行うには、相続人全員が遺産分割に同意していることが前提となりますので、相続人としての意思表示が出来ない方がいる場合は、その人に代わって遺産分割協議に参加する代理人を決定する必要があります。

 

 (1)相続人に認知症の方がいる場合

 

 認知症や知的障害などで法的判断が出来ない相続人がいる場合は、「成年後見制度」を利用する必要があります。

 後見開始を家庭裁判所に申し立て、その人に代わって財産管理や契約などを行う後見人を選任してもらいます。この、後見人が本人を代理して他の相続人と遺産分割を協議することにより、相続手続を進めることになります。

 後見人が選任されるには、医師の鑑定などが必要になることもあり、一般的に申立から1~2か月は時間がかかってしまいますので、早目に専門家に相談されることをお薦めします。

 

 (2)相続人に未成年者がいる場合

 

 未成年者は、単独で有効な法律行為をすることは出来ないとされています。そのため、通常は親権者(両親)が子の代理人となりますが、親も相続人になる場合は、親と子の利益が相反するため、親が子の代理人となって遺産分割協議をすることは禁止されています。このような場合は、家庭裁判所に特別代理人の選任を申し立て、特別代理人と親が遺産分割協議をすることになります。

 

 (3)相続人に行方不明者がいる場合


 行方不明の相続人がいる場合は、家庭裁判所に不在者の財産管理人の選任を申し立てることになります。また、選任された管理人が不在者にかわって遺産分割を行う権限(権限外行為許可)の申立も必要となります。それにより、財産管理人が本人を代理して遺産分割協議に参加することになります。

 なお、行方不明の期間が7年以上の場合は、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てて、行方不明の相続人が死亡したものとして遺産分割協議をすることもできます。